気象学などにおいて正確な積雪量を測ることのできる装置が必要となる。これを宇宙線を応用して測りたい。
先行研究を参考に可能かどうか判断する。可能か可能でないか判断するのは使用するシンチレーターが反応する中性子のエネルギー帯が雪量計として使用するのに十分な回数検出できるのかをみる。
後に、実際に製作しその性能を評価する。製作に使用するのはCosmic Watchであり、シンチレーターをEJ-276にする予定である。
雪を通過しエネルギーを失うことでシンチレーターまで十分なエネルギーをもって通過する中性子が減少するため十分な検出回数があれば水位を検出回数から正確に計算することが可能となる。
今回はSiPMを用いたCosmic Watchに、中性子に対して反応するシンチレーター(今回はEJ-276を想定)を載せてこの装置を製作をすることを検討する。
(ELJEN TECHNOLOGY EJ-276 - Pulse Shape Descrimination)
エネルギーが低すぎる中性子だと積雪以外の条件(温度など)によって影響される。対称に高すぎるエネルギー帯の中性子では飛来回数が少ないため十分な検出回数が得られない可能性がある。
今回使用するシンチレーター(EJ-276)は1MeV~4MeVほどの中性子に対して発光するが、このエネルギー帯の中性子は0.1eV~10eVなどの低いエネルギー帯の中性子に比べて検出回数が大きく減少しているため、さらに検出回数を減少させる減速材は必要ない。
(宇宙線雪量計 小玉正弘)